うつ病と健常者を対象とした安静時およびタスク時における前頭葉脳波の比較:ご協力のお願い
※(募集終了)
(健常者ボランティアの募集)
應義塾大学医学部 精神・神経科学教室では、うつ病・双極性障害、統合失調症、不安症、認知症などの精神疾患の症状を定量化し客観的な評価を行なうための方法を開発するため、広く健常者ボランティアを募集しております。皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。
① 対象となる方
20歳以上の男女で、これまでに、精神疾患と診断されたことのない健康な方。なお、健常者として応募していただいても研究にご参加いただけない場合があります。
② 研究課題名
承認番号:20190188
うつ病と健常者を対象とした安静時およびタスク時における前頭葉脳波の観察研究
③ 研究実施機関
慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室
共同研究機関:大日本住友製薬株式会社・あさかホスピタル
④ 本研究の意義、目的、方法
身体的な病気を扱う多くの医学領域では、採血や画像検査などの客観的な指標を用いて診断を行ったり治療の効果を判定したりします。しかし、精神・神経科ではこのような客観的な指標がなく、患者さんと医師との会話から症状を拾い出したり、症状を評価するためのテストを行ったりして、診断や治療効果の判定を行います。これらの評価方法は評価する人によって点数がぶれやすいという問題がありました。
脳は多くの神経細胞が微弱な電気信号を発して情報のやり取りを行っていますが、この電気活動を頭皮に張り付けた電極から測定する検査を脳波検査といいます。古くからうつ病の患者さんには特徴的な脳波の特徴があり、診断や重症度判定に役立つ可能性があるという研究報告がありました。しかし、研究の結果が必ずしも一致していなかったこと、さらに、脳波検査は密閉された空間で長時間横になって測定する必要があったことなどから、あまり一般的には用いられてきませんでした。一方、最近では装着が非常に簡単で、かつ、安静にせずに、話したり動いたりしても脳波の測定が可能な簡易型脳波計測装置が開発されています。また、得られた脳波の解析方法についても、従来行われてきた一般的な統計を用いた比較だけでなく、大量のデータから機械が学習しながら最適な分類方法を考えるような機械学習と呼ばれる解析技術が行われるようになってきました。
本研究では、このような簡易型脳波検査装置を用いて、脳の前側の脳波を計測します。安静に座った状態での計測や簡単な会話やテストを行っている最中の脳波を計測することで、うつ病の患者さんの脳波の特徴を見つけることを目的にしています。
本研究は、慶應義塾大学病院と他の共同研究機関との多施設共同研究として行われます。共同研究機関には、慶應義塾大学病院と同じように患者さんや健常ボランティアのデータを集める医療機関もあるとともに、大日本住友製薬株式会社が参加します。大日本住友製薬株式会社は、脳波計の計測が検査の施行とともに記録できるようなアプリケーションを開発します。
⑤ ご協力をお願いする内容
座位を保ちながら、開眼・閉眼時、うつ病評価尺度の施行時、脳を使う簡単なテスト時の脳波を測定します。データ収集の頻度と回数は2回から5回とし、1週間以上の間隔を空けて行います。ご協力の謝礼として、1回の評価毎に2000円分の謝礼をお渡しします。
⑥ 本研究の実施期間
研究実施許可日(通知書発行日)から西暦2024年9月30日まで
⑦ プライバシーの保護
この研究で収集するデータは、個人を特定できないように厳重に管理されます。データは厳重に管理し、個人情報が流出しないように、最大限の配慮をしております。なお、学術学会や専門学術誌などに公表する際にも、個人が特定されることはありません。
⑧ お問い合わせ
この研究への参加ご希望の方、研究に関するご質問や、さらに詳細について知りたい方は、以下の入力フォームに研究課題名を明記の上、ご送信いただくか、下記へご連絡ください。
研究責任者:岸本 泰士郎
臨床研究機関名:慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室
住所:〒160-8582 東京都新宿区信濃町35
電話:03-5363-3971